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市民の人権擁護の会 日本支部
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2006/8/29 厚生労働大臣に陳情の申し入れを行いました。

また、189名の署名とともに5月に提出した

要望書を再提出しました。



         

厚生労働大臣

平成18年8月29日

川崎 二郎 様

陳情の申し入れ

前略、 

今年の5月、当会より添付した要望書を提出させていただきました。その後、6月には、社会問題化した向精神薬「リタリン」に対し、早速、突然死の副作用を明記するよう、製薬会社を指導していただき誠に有り難うございました。

 さて、米国食品医薬品局(FDA)の薬物安全リスク管理諮問委員会による勧告が、上記改訂の指導理由となっていましたが、その勧告を受けていたFDA当局では、今月22日にADHD治療薬に対して、最も強い警告である「ブラックボックス」警告が新たに付け加えられています。

 さらに、リタリンを含む中枢神経興奮剤系のADHD治療薬には、以下の警告情報が含まれるようになったということです。

・突然死は、中枢神経興奮剤を通常量使用していた、心臓の構造欠陥がある子どもや十代の若者に関連付けられた。

・中枢神経興奮剤を使った治療が検討されている、子どもや十代の若者、成人は、心臓病を確認するための注意深い検査(家族の経歴や身体検査を含む)を受けるべきである。

・激しい運動の最中に起こる胸の痛み、説明できないめまい、その他起こりうる心臓の症状が現れている患者は、すみやかに心臓検査を受けるべきである。

・突然死や心筋梗塞、心臓発作はADHDのための通常量の中枢神経興奮剤を服用している大人で報告された。

・大人は子どもに比べて、深刻な心臓の構造上の異常、心筋症 (心筋の病気)、深刻な心拍異常、冠動脈疾患、または他の深刻な心臓問題を抱えている可能性が高い。

・そのような心臓の異常がある成人は、一般的に中枢神経興奮剤を使った治療を受けるべきではない。

 来年度以降、発達障害者支援に関して拡充していく方針を固めている貴省のことですから、上記のADHD治療薬の危険性、及び世界各地で発せられている警告について重々承知のことと存じ上げます。しかし、日本では当然知っているべき医療関係者や専門家がこの種の情報を詳しく知らないために、不適切な情報が氾濫し、その結果被害を受けている障害児・者が多数存在しています。

 この種の情報を速やかに医療・保健・福祉・労働関係者に発信し、当事者やその保護者に分かりやすく伝えられるシステムの構築などの安全策を講ずるためにも、前回提出した要望書に基づき、陳情させていただきたいと存じます。何卒よろしくお願いします。

草々

市民の人権擁護の会 日本支部




厚生労働大臣

平成18年5月19日

川崎 二郎 様

要 望 書

現在、注意欠陥・多動性障害児や学習障害児、自閉症児、あるいは登校拒否症と、科学的根拠がないまま子どもたちが「精神障害」と診断されています。

その結果、自殺行動を強めたり、死亡や全身けいれんなどの報告が寄せられていたり、また一般社会では覚せい剤として乱用されている「塩酸メチルフェニデート(商品名リタリン)」の適応外使用が続けられています。

昨年2月、米食品医薬品局より、この「塩酸メチルフェニデート」の服用によって19人の子どもたちの死亡報告が発表され、服用による突然死や心臓障害などの危険性が米国政府より勧告されました。

この発表を受け、厚生労働省でも3月末に開催した小児薬物療法検討会で、緊急にこの危険な向精神薬に関し調査をすることが決められました。

欧米でその危険性が公になっている一方、この4月には米系製薬会社が「塩酸メチルフェニデート」を注意欠陥・多動性障害治療薬として製造販売承認を申請してきています。

そこで、子どもたちの安全を守っていくために、この「塩酸メチルフェニデート」を全国で服用した子どもたちを追跡調査し、死亡や重大な副作用を発見していき、適切な規制・警告を国民に公布することを要望します。

また、覚せい剤として「塩酸メチルフェニデート」を使用し、薬物依存に陥っている事例を収集し、「塩酸メチルフェニデート」に対する乱用規制を構築することも併せて要望します。何卒よろしくお願いします。

市民の人権擁護の会 日本支部


(添付書類)

公にされた米国精神医学会と医薬産業の不適切な関係

資金援助を受ける精神科医がマニュアルに「障害」を記載

前略  

米国・ボストンのマサチューセッツ大学の心理学者、リサ・コスグロブ博士による論文が『Psychotherapy and Psychosomatics』4月号(月刊誌)に掲載され、精神科医と医薬産業の不適切な関係が公にされました。

彼女の論文は、日本の精神医療現場や精神鑑定でも用いられている、米国精神医学会による精神疾患の診断統計マニュアル(DSM)に関するものです。  

論文の主要な記述は、

一、精神疾患の診断統計マニュアルの一部改訂版をつくるに当たって、執筆に関わった170人の専門家のうち、95名が製薬産業との間に金銭的繋がりを持っていた。

二、95名の専門家に支払われた金銭 の内訳は、「研究資金」(42%)、コンサルタント料(22%)、講演料(16%)であった。

三、精神疾患の診断統計マニュアルの中で、「気分障害」(うつ病を含む)と「統合失調症及び他の精神病性障害」の部門で執筆を担当した専門家の全てが、製薬産業との間に金銭的繋がりを持っていた。

四、「気分障害」と「統合失調症及び他の精神病性障害」の分野は、世界でも最大規模の医薬品市場である。抗うつ剤が203億ドル(約2兆3000億円)、抗精神病薬が144億ドル(約1兆6500億円)の売上高となっている(2004年調べ)。  

論文を発表したコスグローブ女史は、「精神疾患の診断統計マニュアル中の障害については、いかなる血液テストも存在しない。それは、マニュアルに頼っている医師の判断のみに左右されるのである。」と指摘しています。さらに、「そのような障害を定義するプロセスは、科学的というにはほど遠く、いかにそのプロセスが政治的であるかを知れば、失望するだろう」とも述べています。

マニュアルに記載された「精神障害」を簡単に診断し、処方されている向精神薬に対する危険性について、米国政府や国連、欧州連合など世界各地でその危険性に関する警告が発せられています。日本でもっとも消費されている抗うつ剤、「パキシル」(SSRI)を服用した20代を中心とする若いうつ病患者に、自殺を試みる行動が増える傾向があることが調査の結果判明し、5月12日、米食品医薬品局(FDA)は医師に対し慎重な観察を求める警告を発表しています。

現実に、ここ数年当会に対する相談・報告において、向精神薬の副作用やその被害にかかわるものが圧倒的に多く、薬物療法を受けた結果、自殺を試みたり、自殺してしまった事例の報告を多く受けています。

適正な副作用情報を提示せず、あえて薬物治療の利点を強調し、向精神薬を処方する「心の専門家」の行為について、被害を被った当事者やその家族はどのように感じていたのでしょうか。1ヶ月や2ヶ月で我が子を薬物療法でなくした親はどのように思っているか、「薬物被害の撲滅」を掲げている厚生労働省の方々なら重々承知のことと存じ上げます。

コスグローブ博士の指摘は、資金提供を受けた専門家が、科学的根拠による診断をせずに「障害」を作り上げ、その「障害」を普及・宣伝することで患者を増やし、その障害に対する薬物を承認させることで、莫大な利益を得ようとする専門家と医薬産業との構造的癒着を警告しています。

 日本では、1999年に新しいタイプの抗うつ剤「SSRI」の販売が認可されるとすぐに、欧米と同様に特定の精神科医と製薬会社によって、「うつ」啓発キャンペーンが展開されました。自殺の副作用がある向精神薬が市場に現れ、自殺件数の増加が社会現象になりました。

専門家が主張する「脳内化学物質のアンバランス」を証明する科学的根拠が存在しないまま、市民は「うつ病です」と診断され、点数の高いSSRIが処方されていった。その結果、年間150億円程度だった抗うつ剤の売上高が、わずか数年で4倍の600億円以上になったのです。

さらに、SSRIなどの抗うつ剤はうつ病患者だけでなく、注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症の子どもにも投与されています。

市民が気づかぬうちに、世界中で2000万人以上の子どもたちに向精神薬が処方され、悲劇が繰り返されてきています。その被害は隠すことができないほど明らかになり、現在国連や欧米の行政機関ではその危険性について警告を発しつづけています。

その結果、ようやく厚生労働省も、今年1月に各製薬会社に対して、抗うつ剤の「使用上の注意」に、副作用として「自殺の危険性」がある旨を記載するよう指示、さらに副作用が少ないと宣伝されて来たSSRIについては、18歳未満に自殺傾向が増加する報告があるということを、記載するように指示を出していただきました。

2月には、ADHDの治療薬を服用していた大人や子ども51人が死亡していた事実をFDAが発表しています。この発表を受け、厚生労働省でも3月末に開催された小児薬物療法検討会議において、25人の死亡者が発表された抗うつ剤「リタリン」について、緊急に調査することを決めています。

その一方、日本では子どものADHD治療薬の開発・承認に関する動きが急ピッチで進められており、特定の医師と製薬会社による治療薬の啓発キャンペーンが展開されています。特に、4月末には前述の「リタリン」と同タイプのADHD治療薬に関する製造販売承認の申請が厚生労働省に提出されています。  

教育現場では精神疾患の診断統計マニュアルを基にしたチェックリストが教師に配布され、「ADHD」や「学習障害(LD)」のあぶり出しが進められ、この診断基準を見て不安になった教師や保護者が、子どもに精神科を受診するよう言い始めています。もはや、日本でも学校は教育の場ではなく、障害を選別し、診断や投薬を進めるクリニックのようなものになりつつあります。

その結果、子どもたちの中には、一生を左右するような「障害」というレッテルを貼られ、副作用の説明もないまま、危険な薬物療法を強制されたりする事例があります。

当会では、被害に遭う子どもたちをなくそうと、各地でキャンペーンを展開しています。危険な向精神薬の調査・規制の要望、そして精神医療による診断や薬物療法、ショック療法などで受けた被害の救済のため、調査や公表を行っています。さらに、被害に遭った子どもや家族を支援するための活動も行っています。

これ以上危険にさらされる子どもや親、若者を増やさないように、しっかりとした監視体制が厚生労働省には求められます。

草々


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