ここでは、詐欺・収賄・不正受給が摘発された事例をいくつかご紹介します。
【事例1】
宝塚三田病院(兵庫県三田市) 平成19年8月31日、同病院理事長で、社会福祉法人の理事長でもあった山西悦郎氏が、厚生労働省九州厚生局の松嶋賢前局長に対し、中古の高級車3台を無償で譲ったり、1500万円を貸したりしていたことが発覚した。
社会福祉法人側には、3年間で国から10億円以上の補助金が出されていた。
厚生労働省は、山西氏は前局長の利害関係者であると認定し、車や現金の受領が国家公務員倫理法に違反するとして、同年9月13日、前局長に自主返納を要請した。
【事例2】
石本神経科内科医院(愛媛県松山市) 平成19年9月27日、虚偽報告をして診療報酬を不正に受給していた松山市の石本神経内科の院長・石本祐友医師に対して愛媛社会保険事務局は保険医登録を取り消す決定をした。
石本医師は、向精神薬を通常の4、5倍の量を処方するなど厚労省が適正と定めた基準量を超えた薬を患者に処方していた。複数の薬剤師から向精神薬の過剰投与に関する通報があり、県と同事務局が調査した結果、不正が判明した。
【事例3】
東松山病院(埼玉県東松山市) 平成19年11月1日、医師や働いている看護師を実際より多く報告し、入院基本料を過大に請求していた問題で、患者の家族や病院に勤務する職員らの組合が、不適正に徴収された費用の返還を求めて「家族の会」を結成することを明らかにした。
県国保医療課などにより、入院患者が支払う必要のない費用を徴収していたことが明らかになっている。患者家族らは別途徴収された費用だけでも、過去10年間で少なくとも約3億7,500万円あると主張。大半の患者家族には説明や謝罪、返金が一切なかった。
【事例4】
厚生労働省医系技官 平成19年11月15日、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室を卒業後、厚生省(現厚労省)に入局し精神保健福祉課課長補佐などをつとめながら、うつ病に関する研究などもしていた精神科医・中村健二被告らが厚労省の補助金計約590万円を騙し取ったとして、詐欺罪などに問われた件の判決が東京地裁で開かれ、中村被告に懲役2年の実刑が言い渡された。
01-02年度に国立精神・神経センターの精神保健研究所長が受けた補助金のうち約175万円を騙し取ったとされる。